ニーハオ、中華大好きチャイナカブレ佐藤(@kazu67_)です。
みなさんはカンボジアには行かれたことはありますか?
カンボジアといえばプノンペンやアンコールワットのあるシェムリアップぐらいしか思いつきませんが、多くの方もそんなもんだと思います。
そんなカンボジアのプノンペンから200kmほど離れたところに「シアヌークビル」という湾岸都市があります。そこがいまリゾート開発が急ピッチで進められており、中国の移民や観光客が大量に押し寄せ、中国人のための都市になっているそうで、かなり社会問題になっているそうなんです。
カンボジアに駐在する大学の後輩とLINEで電話していた時にその話題になり、非常に興味を持ちました。ちょっと調べてみたのでよければご参考に。
シアヌークビルとはどこか?
恥ずかしながら東南アジアについて全く知らなかったのですが、シアヌークビルはカンボジアの首都プノンペンから200kmぐらい南西に進んだところにあります。
私の後輩曰く、バスで4-5時間掛けて行くようなところらしく、結構な距離があります。
英語では「Sihanoukville」と表記するように、カンボジアの前国王であるノロドム・シアヌークから名付けらました。
日本政府やロシアの補助もあって開発が進んだ穏やかな湾岸都市だったそうですが。近年ではリゾート開発が急ピッチで進められており、この2-3年で一気に街の様子は様変わりしてしまったそうです。それはチャイナマネーの流入によって。
チャイナマネーにより急ピッチで進む開発
いくつか日本語でも情報は出回っていますが、イギリスのガーディアン紙の情報が一番よくまとめられているので、ぜひ本文をお読みいただきたいのですが、ざっくりまとめるとこんな感じ
- カンボジアは中国にとって唯一の重要拠点である
- 近隣諸国のタイ・ミャンマー・ベトナムとは異なり、カンボジアのフン・セン政権は中国投資を積極的に受け入れている。
- 過去一年間にシアヌークビルは13億ドルの投資を受けたが、そのうち11億ドルは中国からの投資。
- そのチャイナマネーの投資の副産物が、カジノやコンドミニアム。
- カンボジアではギャンブルが違法にもかかわらず、シアヌークビルでは合法。このカジノは(カンボジアでは)存在しないギャンブル規制や緩いマネーロンダリング法を利用して、外国人がカジノを利用できるようにした。もちろん現地の国民は認められない。
- 町の人口の2割を中国人が占めているという推察もある
- 急激な発展とチャイナマネーの流入で恩恵を受ける人もいるが、急増する生活費によって町から追い出される人もいる
- 中国のマフィアによる組織犯罪。飲酒運転の事故の増加や売春や誘拐事件なども増えている。
- 中国マネーが入る以前はロシアによって投資を受けていた。荒廃したリゾートビルの敷地にはプーチンに手を降っているフン・セン首相の像があるほど。(ちなみにシアヌークビルの空港はソビエト連邦の援助で開発された)
記事内にある写真もなかなかの衝撃です。


一帯一路はもちろん、東シナ海にも熱い眼差しを注いでいる中国にとってはこの港は重要な拠点のようです。
そんなシハヌークビル港は、Nikkei Asian Reviewの記事によれば、カンボジアの7割の海上貨物を取り扱う重要な港のようです。日本による支援を受けてできた港のようです。中国にとってはあまりいい存在じゃないでしょう。なので、それを回避するべく中国が違う場所に港を建設中のようです。。。
毎年2倍ずつ増加している中国からのフライト
ここ2年で街の様子が様変わりし中国からの観光客がバンバン押し寄せているシアヌークビルですが、一体どれくらいのフライトがあるのか見てみましょう。
まずは利用者数の変化から

2013年には2万人だったのが、翌年は4万3000人と2倍、その翌年も2.3倍…と毎年1.5倍〜2倍ペースで伸びています。その分、宿泊施設やレストランが必要になるわけですから、どれくらいの成長規模なのか分かるかなと思います。
いま就航しているフライトの就航地を見てみましょう。

エアアジアのクアラルンプール線とカンボジアアンコール航空のホーチミン線、国内線を除けば全て中国(マカオを含む)路線です。上海や北京からの路線はありませんが、かなりの数の中国の地域から来ていますね。
ここで4年前の2015年はどんなもんだったか見てみましょう。日本語版のページだと2015年のデータで止まっていました。

なんと3都市しか就航していなかったようです。現在は13の中国の都市に就航していますから、この3年間で4倍以上も増えてしまったのです。
いやあ…すごいですよ。
とにかくこの目で開発ラッシュを見てみたい!
私の知人が先日カンボジアに行ってきて、写真を上げていたのですが、とにかく中国語だらけだよと言ってきてて中国の影響力は凄まじいものを感じます。
あまり東南アジアに関心のなかった私ですが、後輩からこの情報を聞いてちょっと興味を持ちました。私の知らない「中国」がここにはあるんだろうなと。
親日国と言われていたカンボジアですが、いまや中国資本にガッツリ依存しているようです。いや、現地にいる後輩によれば日本人はウェルカムのようですが、中国人が好きじゃない人は多いみたいですね。
「シアヌークビル」とTwitterで検索すると、中国人がカンボジア警察に逮捕された情報がバンバンでてきて急速に発展するカオスっぷりを感じます。ちょっと過激でディープなTwitterアカウントですが、カンボジアやシハヌークビル情報が気になる方は、このザビエル古太郎さんのアカウントをフォローしてみてはいかがでしょうか。
カンボジアと中国の関係については、中国ライターの安田峰俊さんが「さいはての中国」という本でかかれているそうなので近いうちに読んでみたいと思います。
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